忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2025/02/12

誕生日プレゼント

平安 「紅葉」

「ふわ〜。」
「大丈夫か〜?仕事中に寝ないようにしろよ。」
「うん。」
 昌浩の朝は早い。出仕しなければならないからだ。そのぶん、夜寝るのが早いかと言えばそうではない。夜警があるからだ。物忌みだと帰ってゆっくり眠れるのだが、普段はそうもいかない。だから、さっきみたいにあくびがでてしまうのだ。
 最近は、彰子が待っているし、大きな問題もないので早めに帰ってはいるが、やはり眠い。
「もっくんはいーよな。俺が仕事してる横で寝れるんだから・・・あ。」
 ひらっ。
 紅葉だ。その辺の木から落ちたのだろう。真っ赤だ。
「うわー。見てよもっくん。すごくきれいだよ。」
「おう。これだけきれいなのは珍しいな。」
「そうなんだ。」
「ああ。普通はもうちょっと色あせてたりするぞ。」
「ふ〜ん。」
 昌浩は、紅葉の茎を持ち、くるくると回している。
「・・・こに・・・」
「ん?何か言ったか?」
「う、ううん。早く行こ。遅刻しちゃうよ。」
「おう。」
 昌浩は物の怪に見えないように後ろを向くと、紅葉をそっとしまった。
 別に特別なことを考えていた訳じゃない。ただ、こんなにきれいなのだから、見せたら喜ぶかなと思っただけだ。
「・・・顔が真っ赤だぞ、孫や。」
 昌浩は、顔が赤いのも気にせず、くるりと振り返って叫んだ。
「孫って言うな!」


「お帰りなさい、昌浩。」
「ただいま、彰子。あのさ、・・・」
 昌浩は手を後ろに回す。
「何?昌浩。」
 彰子は、昌浩の手に気づかないようだ。
 昌浩は、意を決して後ろに回していた手を差し出した。
「こ、これ。」
 昌浩の手には、今朝拾った紅葉が置いてあった。彰子は、そっと紅葉を手にとる。
「すごくきれい。」
「今朝拾ったんだ。」
「もう、秋なのね。」
「うん、他にもさ・・・」
 2人は昌浩の部屋に向かった。

   彼女の名に含まれる季節。それは、
     少し哀愁を漂わせる、心地よい時間_____。


******************************************************************************
ちょっと書いてて恥ずかしかったです。
現代のもあるので、そちらも読んでください。
幸菜さん、Happy Birthday!

拍手

PR

2007/11/04 ◇二次創作◇ Trackback() Comment(0)

COMMENT

COMMENT FORM

NAME
MAIL
WEB
TITLE
COMMENT
PASSWORD

TRACKBACK

TRACKBACK URL :
カレンダー
 
01 2025/02 03
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28
 
 
カウンター
 
 
 
リンク
 
 
 
カテゴリー
 
 
 
フリーエリア
 
 
 
最新コメント
 
[02/03 orireeaspinue]
[04/13 流音]
[03/28 みゆ]
[03/25 みゆ]
[03/23 みゆ]
 
 
最新記事
 
(08/22)
(08/22)
(08/21)
(08/19)
(07/01)
 
 
最新トラックバック
 
 
 
ぷよぷよ
 
 
 
プロフィール
 
HN:
初夏
年齢:
31
性別:
非公開
誕生日:
1993/12/01
趣味:
創作活動
 
 
ブログ内検索
 
 
 
アーカイブ
 
 
 
最古記事
 
(09/01)
(09/02)
(09/08)
(09/13)
(09/15)
 
 
バーコード