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平安 「紅葉」
「ふわ〜。」
「大丈夫か〜?仕事中に寝ないようにしろよ。」
「うん。」
昌浩の朝は早い。出仕しなければならないからだ。そのぶん、夜寝るのが早いかと言えばそうではない。夜警があるからだ。物忌みだと帰ってゆっくり眠れるのだが、普段はそうもいかない。だから、さっきみたいにあくびがでてしまうのだ。
最近は、彰子が待っているし、大きな問題もないので早めに帰ってはいるが、やはり眠い。
「もっくんはいーよな。俺が仕事してる横で寝れるんだから・・・あ。」
ひらっ。
紅葉だ。その辺の木から落ちたのだろう。真っ赤だ。
「うわー。見てよもっくん。すごくきれいだよ。」
「おう。これだけきれいなのは珍しいな。」
「そうなんだ。」
「ああ。普通はもうちょっと色あせてたりするぞ。」
「ふ〜ん。」
昌浩は、紅葉の茎を持ち、くるくると回している。
「・・・きこに・・・」
「ん?何か言ったか?」
「う、ううん。早く行こ。遅刻しちゃうよ。」
「おう。」
昌浩は物の怪に見えないように後ろを向くと、紅葉をそっとしまった。
別に特別なことを考えていた訳じゃない。ただ、こんなにきれいなのだから、見せたら喜ぶかなと思っただけだ。
「・・・顔が真っ赤だぞ、孫や。」
昌浩は、顔が赤いのも気にせず、くるりと振り返って叫んだ。
「孫って言うな!」
「お帰りなさい、昌浩。」
「ただいま、彰子。あのさ、・・・」
昌浩は手を後ろに回す。
「何?昌浩。」
彰子は、昌浩の手に気づかないようだ。
昌浩は、意を決して後ろに回していた手を差し出した。
「こ、これ。」
昌浩の手には、今朝拾った紅葉が置いてあった。彰子は、そっと紅葉を手にとる。
「すごくきれい。」
「今朝拾ったんだ。」
「もう、秋なのね。」
「うん、他にもさ・・・」
2人は昌浩の部屋に向かった。
彼女の名に含まれる季節。それは、
少し哀愁を漂わせる、心地よい時間_____。
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ちょっと書いてて恥ずかしかったです。
現代のもあるので、そちらも読んでください。
幸菜さん、Happy Birthday!
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