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すごい久々の更新ですね、お題書きっこ企画。
ま、忙しかったんだよ、きっと←
冗談ですよ。すいません;
ではでは、タクトくんよりお題「裏切り」です。
続きよりどうぞ。
それは、とてもとても小さな裏切りだった。
「花穂、おはよ!」
「おはよう、里乃ちゃん」
いつもの待ち合わせ場所での、いつものやりとり。私は思わず微笑む。
あたしと花穂は親友で幼なじみだ。生まれた病院が一緒で、家は隣同士。家族ぐるみで仲良くさせてもらってる。がさつで落ち着きが無いあたしとは違って花穂はしっかり者なので、ウチの親は花穂のことをすごく頼りにしてる。
「遅れてゴメン、行こ!」
「うん。ちょっと急がないと間に合わないかもだし」
あたしたちは学校へ向かって歩き始める。すると。
「あれ、祐次じゃない?」
後ろの方から自転車でこっちへ走ってくる男子が見える。この間近所に引っ越して来た、西沢祐次だった。あっちが自転車なのに対してこっちは歩き。すぐに追いつかれて横に並んだ。
「あんたも寝坊?」
間に花穂を挟んで、あたしは訊いてみる。図星だったらしく、祐次は苦笑して黙り込む。
「あんたも、ってことは里乃もだろ」
「うっ、うるさいわね!」
「花穂も大変だな、こんなやつと一緒に登校とか」
「そんなことないよ。里乃ちゃん、早い時はすっごく早いし」
花穂がにっこり笑ってフォローしてくれる。……微妙にフォローになってないけどね。
「ほんじゃま、急げよ!」
「え、先行っちゃうの?」
「当たり前。お前らと一緒に行ってたら俺も遅刻すんだろが」
「ケチねー。遅刻の一回や二回……」
「バカ言ってんな。じゃな、花穂」
「うん、またあとでね」
花穂にだけ挨拶すると、祐次は行ってしまった。あたしはその背中に馬鹿野郎の言葉を叩き付ける。
ふと隣で手を振る花穂に目をやると、花穂は頬をほんのり赤らめて心底嬉しそうな顔をしていた。こんな花穂は、今までに見たことが無い。こんなにも、一緒にいるのに。
「花穂、祐次のこと好きなの?」
歩きながら問いかけてみる。すると花穂は、慌てて首を横に振った。
「ちっ、違うよ!今好きな人とかいないし……」
嘘だ。花穂のことは、あたしが一番良くわかってる。嘘をつく時に目を逸らすことも。
あたしはふと、小学校三年生の時のことを思い出した。
『ね、花穂』
『なぁに、里乃ちゃん』
『花穂は、あたしに嘘つかない?』
『つかないよ。つこうと思ったことが無いもん』
『じゃ、約束して。あたしには嘘つかないって。隠し事しないって』
『いいよ。でもこれじゃ不公平だから、里乃ちゃんも花穂に同じ約束して?』
『うん』
『約束ね』
『うん。あたしたちは、お互いに隠し事はナシだよ』
こんな約束、いつか無理になるってわかってた。でも、それはまだ先のことで、二人でもうナシにしようって言ってからだと思ってた。
花穂は、約束したことすら忘れていたのだ。
「どうしたの、里乃ちゃん。早く行かないと遅刻しちゃうよ?」
「あ、ごめん。行こ!」
あたしは顔だけ笑って、走り出した。
それは、とても些細な、でもとても大きな、裏切りだった。
2009/11/28 □お題書きっこ企画□ Comment(1)
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無題
お疲れ様なんだぜー!
お題の企画…そういえばあったなぁ…じみに忘れかけてたやwww
\(^O^)/
タクト 2009/12/07 11:29 EDIT RES
Re:無題
ありがとなんだぜー!←
ありましたとも!忘れかけられてたのはたぶんあたしのせいだが;
これを機に復帰とかどうよw←
初夏 2009/12/08 15:53